終活にあたって、老後資金の計画を建てることと思います。「老後までのに2000万の貯蓄を」と叫ばれる中、果たしてそんな大金を準備できる人がどれだけいるのか…。そして、本当に2000万円もの大金が老後に必要になるのか…。
このページでは、夫婦2人世帯の65歳定年後の資金シミュレーションをご説明します。
もちろん、個々人により必要な貯蓄は大きく異なりますので、その点にご留意してお読みください。
支給される年金額
〇公的年金平均支給額
老齢基礎年金 56,049円/月
老齢厚生年金 90,113円/月
合計年金額 146,162円/月
(参考:厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)
サラリーマン等、企業等に属して働いていた場合は老齢厚生年金が支給されますが、個人事業主や専業主婦の場合は支給されませんので、老齢基礎年金額のみを頼ることになります。
厚生年金の支給の有無を考慮すると、以下のようになります。
夫婦ともに支給:292,324円/月
片方のみに支給:202,211円/月
夫婦とも不支給:112,098円/月
定年後の支出シミュレーション
〇老後の最低日常生活費
老後の夫婦2人世帯の最低日常生活費は平均で22.1万円/月と考えられています。
実際の回答割合でみると、20~25万円が29.4%と最多ですが、30万円以上と回答した割合も18.9%と大きいです。一方、15万円未満と回答した割合は5.9%と少なく、それなりの支出を覚悟する必要があると言えます。
この開きが生まれる背景には、持ち家等の有無があります。
賃貸に住んでいる場合、5~10万円程度の固定費が加算されますから、大きな負担となります。現在賃貸物件にお住まいの方は、将来を見越した資金形成が必要です。
(参考:生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査」)
〇実際の老後生活費
上記の最低日常生活費とは異なり、実際の支出額から見てみましょう。
老後の夫婦2人世帯:27.1万円/月
老後の単身世帯 :15.1万円/月
夫婦2人世帯について、実際の生活費には交際費や娯楽費、諸雑費なども含まれるため、最低日常生活費よりも5万円上回る結果となりました。
(参考:総務省統計局「家計調査年報 令和元年」)
〇介護施設の入居費用
介護施設への入居を考える場合、あるいは将来の資金設計として介護施設入居を考慮する場合、さらに支出額は膨らみ、複雑になります。
介護施設への入居に係る費用はこちら
老後資金、年金だけで補える?
年金額だけで老後資金を余裕をもって補えるのは、
①夫婦ともに正社員を定年まで勤めあげる
②現役時代の収入額が平均程度だった
③持ち家等を有している
④介護費用を抑える
⑤生活水準を平均程度に押さえる
の基準を満たす時だと考えておくと良いでしょう。
一方だけが専業主婦(主夫)等で厚生年金が支給されない場合、一か月あたり7万円の不足が生じることになります。したがって、年間あたり以下の不足が生じます。
7万円/月×12月=84万円/年
夫婦ともに90歳まで生きることを考えると、
84万円/年×25年=2100万円
になりますから、老後資金が2000万円必要なのはよくあるケースだといえるでしょう。
それぞれの家庭の経済状況や、将来受け取れる年金額等により大きく変動しますが、はやめの資金設計を行い、老後資金の積み立てを始めておく必要があるでしょう。
行政書士こそね事務所では、終活相談はもちろん、老後資金のシミュレーションや資金設計を行っております。
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