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家の名義変更の手続きと5つの費用

家の名義変更をするとき、どのような費用が、どれくらいかかるのでしょうか。

終活の時や認知症対策、または相続発生後などの場面で、家の名義変更が必要になります。名義変更を経験する機会はそう多くありませんから、すべき手続きやかかる費用などはわからなくて当然です。

今回は家族間における家の名義変更の“費用”に着目してご紹介します。

名義変更に必要な手続き

所有権移転登記

所有物件の名義変更をする場合、所有権移転登記を行います。
この登記については、相続など一部の例外を除いて元の所有者と新しい所有者が共同して登記を申請するのが原則です。

もちろん、両当事者が法務局に赴き、共同申請を行うことがベストです。
ですが、その申請書類や必要書類、権利証の製本作成など、専門的な知識がないと難しい作業が多いのが実情です。そのため、司法書士に登記手続きを依頼される方がほとんどです。

なお、賃貸物件の場合は管理者(大家さん)の同意が必要となるため、場合によっては名義変更ができないケースも。

登記に必要な書類

必要な書類は、名義変更の原因により異なります。
以下、原因に応じた必要書類です。

名義変更の原因登記の必要書類
共通登記申請書
委任状
(代理人申請の場合)
売買不動産の登記簿謄本
売買契約書
売主の印鑑証明書
買主の住民票の写し
贈与不動産の登記簿謄本
贈与契約書
受贈者の住民票の写し
贈与者の印鑑証明書
財産分与財産分与協議書
財産分与を受けた人の住民票の写し
財産分与をした人の印鑑証明書
その他必要書類
相続被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本または除籍謄本
不動産を取得した相続人の戸籍謄本
相続人全員の住民票の写し
相続関係説明図

名義変更にかかる費用

名義変更にかかる費用は、大きく5つ存在します。

1.必要書類の取得費用

登記申請の際に必要な書類を取得する際にかかる費用です。
印鑑証明書や住民票など、500円前後で入手することができます。

費用の目安は、数千円程度です。

2.登録免許税

登記手続きのに国に納める税金です。
登録免許税についても、登記の種類(原因)により額が異なります

登記の種類(原因)税率
所有権保存評価額×0.4%
相続による所有権移転評価額×0.4%
売買による所有権移転評価額×2%
贈与・交換等による所有権移転評価額×2%

例えば、評価額2,000万円の自宅の名義変更にかかる登録免許税は

生前贈与:2,000万円×0.02=40万円
相続  :2,000万円×0.004=8万円

となり、32万円もの差が生じることになります。

従って、名義変更の原因とその不動産の評価額により大きく異なりますが、5万円~50万円程度だと考えておきましょう。

3.不動産所得税

不動産取得税は、不動産の取得者(名義変更後の所有者)に課される税金です。相続による取得を除き、原則は不動産取得税がかかることになります。

住宅の種類課税標準税率
新築評価額-1,200万円3%
一定条件を満たす中古住宅評価額-100~1,200万円
(新しいほど控除大)
3%
その他の中古住宅評価額3%

名義変更する場合は中古住宅でしょうから、中・下段をご参照ください。
なお、中古住宅における一定条件とは、耐震性能等の住宅性能評価による基準を満たす住宅を指します。

不動産所得税については、非課税~50万円程度です。

4.贈与税 または 相続税

家の名義変更が贈与にあたる場合、贈与税が課せられることになります。

贈与税についてはこちらをご覧ください

相続による名義変更の場合は、贈与税ではなく相続税が発生します。

相続税の計算方法はこちらをご覧ください

5.司法書士への報酬費用

登記手続きを専門家に依頼する場合、別途報酬の支払いが必要になります。
報酬額の相場は3~5万円程度です。

1番目に述べた書類収集なども一括して司法書士に依頼する場合、5万円~15万円程度かかることもあります。

栃木県の司法書士はこちらから検索できます


家族間での名義変更であっても、相当の費用が掛かるのが現状です。
ですので、過度な認知症対策や相続税対策はかえって自分の首を絞めてしまうことも

終活の際には、財産や家族関係などを考慮してすべきこと・しなくてもよいことを明確に線引きすることが大切です。

ご自身での判断が難しい場合は、当事務所の無料相談をご利用ください。
ご依頼をいただかなくても大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。