個人事業主か、法人設立か
いわゆる“起業”とは、必ずしも会社の設立を意味しません。
これから新しく事業を始めようとする場合、「本当に法人設立が必要か?」という視点をもって事業計画を立てましょう。
以下、個人事業主と法人設立の比較表です。
観点 | 個人事業主 | 法人設立 |
---|---|---|
起業手続き | 開業届の提出のみ | 定款の作成、登記等さまざまな手続きが必要 |
起業費用 | 0円 | 株式会社:約25万円~ 合同会社:約10万円~ |
事業年度 | 1~12月(一定) | 自由に設定可能 |
経費計上 | 限定的(自身への給与も経費対象外) | 柔軟(給与も経費計上可) |
信用性 | 低い | 高い |
赤字の繰越 | 青色申告のみ3年間 | 7年間 |
税金 | 所得税は儲かるほど高くなる | 税率の増加は緩やかだが、赤字でも法人税がかかる |
経理 | 確定申告 | 法人決算、申告 (税理士が必要になる場合が多い) |
社会保険 | 従業員5人未満なら任意加入 | 社長1人でも強制加入 |
〇個人事業主のメリット
- 初期費用を抑えられる
- 手続きが簡単
- 一定の所得までは税負担が軽い
〇法人設立のメリット
- 経費計上範囲が広い
- 社会的な信用が得られる
- 一定以上の所得になると税負担が軽い
上記のメリット(あるいはデメリット)を比較対照した上、事業計画と相談して形態を決める必要があります。
法人設立にあたって、注意すべき点は以下の通りです。
<法人化の注意点>
- 法人住民税は、赤字でも納める必要がある
- 社会保険、雇用保険の加入による負担を考慮しなければならない
- 経理、事務等の作業が増える
- 過剰な経費計上による税務調査

株式会社か、合同会社か
法人の設立を決定した場合、続いて会社の種類を検討する必要があります。
以下、株式会社と合同会社の比較表になります。
観点 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
特徴 | 所有と経営が分離 | 所有と経営が一体 |
起業費用 | 約25万円~ | 約10万円~ |
出資者名称 | 株主 | 社員 |
最高意思決定機関 | 株主総会 | 総社員の同意 |
役員の任期 | あり | なし |
決算公告義務 | あり | なし |
利益分配 | 株式割合に準ずる | 自由に配分 |
株式(持分)の譲渡 | 原則自由 | 社員全員の同意による |
社会的認知度 | 高い | 低い |
一般的に知名度の低い合同会社について、メリットとデメリットを挙げて考えてみます。
合同会社のメリット
- 設立費用が安い
上表の通り、約15万円程度安く設立ができます。 - ランニングコストを抑えられる
決算公告義務や役員の任期がないため、登録免許税等がかかりません。 - 経営の自由度が高い
株式割合によらず利益配分ができること、定款の柔軟性が高いこと等、比較的自由度が高いです。
合同会社のデメリット
- 知名度が低く、信用力に欠ける
合同会社は、まだ歴史が浅いことや決算公告義務がないことなどから、株式会社に比べ社会的信用に劣ります。 - 資金調達が限定的
株式による資金調達ができないため、資金調達を融資や補助金等に頼ることになります。 - 社内の環境の影響が大きい
株式会社と異なり、社員一人ひとりに議決権があることから、社内での対立が起こると業務や会社運営に多大な影響を及ぼします。
また、利益配分も自由に決定できるため、対立の要因となり得ます。 - 上場できない
合同会社は上場ができませんので、大規模な事業を目指すには不向きです。

法人設立の流れ
以下、手続きの煩雑な株式会社の設立について、流れを説明します。
①会社設立事項の決定
定款作成をはじめ、法人設立に必要になる事項を確定します。
(1)商号
会社の名前を決めます。
同一住所・同一名称は付すことができないので注意が必要です。
(2)本店所在地
会社の住所を決めます。
業種により、基準を満たす必要があるものもあります。
(3)資本金
法律上、1円以上であれば設立可能です。
実務上は初期費用+数か月の経費(運転費用)が目安となります。
(4)会計年度
一般的には、会社設立月の前月を期末にできるように調整します。
(4月設立の場合は3月決算)
また、繁忙期を避けて設定することを推奨します。
(5)事業目的
設立時の事業内容に加え、将来扱う可能性のある業務も記載します。
業種により、記載がないと許認可が下りない場合があります。
(6)発起人・役員の決定
発起人(出資者)と、役員(運営者)を決定します。
なお、発起人が役員を兼ねることも問題ありません。
(7)印鑑作成
登記申請の際に会社の代表印を提出しますので、この段階で準備します。
事業目的では以下の3点を満たすようにしなければなりません。
1.適法性
公序良俗に反しない事業目的であること。
2.営利性
営利活動が事業目的として定められていること(非営利活動は目的にできない)
3.明確性
一般的に同様の解釈ができ、かつ周知の言葉を用いて記述すること(専門的な用語は避ける)。
②定款の作成
上記で確定した5つの絶対的記載事項を記載した定款を作成します。
必要に応じ、相対的記載事項も盛り込むことになります。
(1)事業目的
(2)商号
(3)本店所在地
(4)設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
(5)発起人の氏名又は名称及び住所
(6)発行可能株式総数
③定款の認証
公証役場で定款の認証を受けます(株式会社のみ)。
発起人が複数いる場合、全員で公証役場に訪れる必要があります。
流れとしては、
1.本店所在地の管轄法務局の確認
2.管轄法務局に属する公証役場の確認
3.公証役場に事前協議(定款の確認、調整)
4.印鑑証明と実印等を準備して公証役場で認証を受ける
④資本金払込
資本金を払い込みます。
株式会社の口座は会社設立後でなければ作れませんから、発起人の口座に振り込むことになります。
この際、出資額になるのは「口座残高」ではなく「振込額」です。
⑤登記書類作成、申請
登記内容により異なりますが、主に必要になる書類は以下の通りです。
- 登記申請書
- 登録免許税の収入印紙の貼付け台紙
- 定款
- 取締役の就任承諾書
- 払い込みを証する書面
- 印鑑届書
以上で、法人設立の手続きが完了したことになります。
不備がなければ、一週間程度で登記が完了します。

法人設立“後”に必要な手続き
無事に法人設立が完了した後も、様々な手続きが必要になります。
特に、ここからは期限が設定されているものもありますので円滑に作業を進める必要があります。
手続き | 申請先 | 期限 |
---|---|---|
法人口座開設 | 金融機関 | できるだけ速やかに |
健保新規適用届 | 年金事務所 | 5日以内 |
法人設立届 | 税務署 都道府県税事務所 市区町村役所 | 場所により異なる (設立後2か月以内) |
青色申告承認申請 | 税務署 | 設立後3カ月以内 |
給与支払事務所等の開設届 | 税務署 | 1回目の給与支払い日まで |
また、事業内容や形態に応じて以下の申請も行います。
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
- 棚卸資産の評価方法の届出
- 減価償却資産の評価方法の届出
- 消費税課税事業者選択届出書
当事務所でのサービスの流れ
メール、お電話、LINEにてお問い合わせください。
内容を確認の上、無料相談の日程調整を行います。
お電話又は御社まで出張し、内容のヒヤリングを行います。
内容に応じて見積書を提示の上、ご納得いただけましたら契約となります。
ご相談内容に応じて、事業の展望やご希望に応じて事業計画・定款原案等の打ち合わせを行います。
この時点で、会社設立事項を確定させます。
定款の認証、法人設立登記が円滑に進むようにするため、内容のチェックを行います。
ヒヤリング内容に応じて、必要書類一覧を提示いたします。
お客様にご用意いただく書類と記入事項、注意事項などをお伝えします。
必要書類を当事務所に郵送又はFAXにて送信をお願いいたします。
書類の不備等が気になる方は、御社まで出張してご一緒に確認作業を行います。
定款の認証や登記申請等、法人設立に必要な手続きを行います。
法人口座の開設や年金事務所への新規適用届など、必要な手続きを代行またはサポートします。
今後も行う必要のある届出等が含まれるため、申請代行をご希望の場合も直接面談をしてご説明させていただきます。
無事に申請が通ったことが確認できましたら、契約終了となります。
その後、定款変更などの必要がある場合はサポートさせていただきます。
行政書士こそね事務所では、法人設立の一括サポートを行っております。
また、定款変更の諸手続きや助成金申請代行など、会社を運営していく上でのサポートも充実しております。
小さなお悩みから大きなご要望まで、なんでもお問い合わせください。